職場を変えたいと思いながらも、「もう少し頑張ればきっと…」と、自分に言い聞かせて働き続ける。そんな経験はありませんか?
そんな心にそっと寄り添い、時には背中を押してくれる大人の絵本、「リラックマ生活」。かわいい絵とともに、大人の心に刺さる一言が並びます。「そこじゃなくてもいいんじゃない?」そんな気づきをくれ、前に進む勇気をくれる本です。
この記事では、私がこの本に救われた経験とともに、その魅力を紹介します。「この会社で頑張らないと…」と自分の気持ちの中でがんじがらめになっている人に、ぜひ読んでほしい一冊です。
辞めたいけど、辞めるわけにはいかない
20代半ばの頃。私は事務職として、とある会社に入社しました。その会社を選んだ理由は、「事務職であること」と「他の会社よりも月給が3万円高かった」。それだけでした。
家からは車で1時間。雨の日は渋滞で1時間40分。
入社初日から、上司からの歓迎されていない扱い。そして、職場いじめが始まりました。面倒な仕事を押し付けられ、バカにされ、陰口を叩かれる。それでも「この会社でうまくやりたい。他社より3万円給料が高いこの職場を辞めるわけにはいかない」と、自分に言い聞かせていました。

私のことを見下している女性事務員たちとの、昼休みのランチが義務。休日もたまに誘われ、断れない雰囲気。「頑張って合わせていれば、いつか受け入れてもらえる」。自分に必死に言い聞かせ、ヘラヘラ笑って取り繕っていました。でも、何も変わりませんでした。
辞めたい…けど、辞める勇気がない。だって、今より給料が3万円減ったら…。

地方事務職の手取り…やばすぎる問題だね
書店で出会った、背中を押してくれる絵本
そんなある日、雑誌を買いに書店へ。心が疲れていたのか、なんとなくエッセイコーナーへ足を運びました。ふと目に留まったのは「リラックマ生活」というシリーズ絵本。エッセイコーナーに絵本?
なぜだか分からないけれど、手に取ってパラパラとページをめくると…「あ、これだ」という感覚。私がほしかったものは、きっとこれだ…。一番かわいいと思った表紙の絵本を取り、そのままレジへ直行、そしてすぐ帰宅しました。
本の中には、「そこじゃなくてもいいんじゃない?」「移動すると景色が変わる」というような、優しいけれど心に刺さる言葉が並んでいました。気がつけば、泣きながら夢中で読んでいました。


すぐにシリーズ全巻を買い揃え、20代後半の女は、その本を泣きながら読み続けました。その中に 「咲ける場所で、咲いてみては?」という一文があったと思います。その言葉を読んだ瞬間、胸の奥で何かが崩れました。
あ…そうか。ここは、どんなに頑張っても私が咲ける場所じゃないんだ。分かっていたけど、気付かないふりをしていた。努力すればきっと全部うまくいくって自分に言い聞かせて、職場にすがりついていた。
…3万円低くてもいい。違う場所へ行こう。目の前の現実をようやく受け止めることができ、2年間働いたその会社を退職しました。
さいごに
自分を動かすのは、最後は自分の気持ち。でも、その背中をそっと押してくれるのは、誰かの言葉や、たった一冊の本なのかもしれません。
疲れているとき、うまく言葉にできない気持ちを、ふんわり受け止めてくれる絵本です。「リラックマ生活シリーズ」は、大人が読むからこそ心に響く言葉が詰まっています。今しんどいと感じている人にとって、そっと寄り添ってくれる一冊になると思います。



コメント