上司に嫌われている気がする。会話の端々や態度から、そう感じたことはありませんか?社内で影響力を持つ人に嫌われると、その立場を利用した評価操作やハラスメントが起きやすくなります。そしてそれは、「指導」という形をとり、他の人からは「普通のこと」に見えることがほとんどです。
「嫌われているかも」と感じるとき、そう感じてしまう理由があるはずです。私も、表面上では分かりにくい「指導」を受ける体験をしたことがあります。それはいつの間にか少しずつ、自分の評判が下がることにつながっていきました。
この記事では、上司に嫌われていると感じる職場で実際に何が起きるのかを、体験をもとに整理しています。「自分のせいかも」という思考から一歩離れ、状況を冷静に見つめ直す視点を持てるようになるはずです。
この体験から学んだ3つのこと

この職場での2年間は、時間が経って振り返ってみると、個人の努力だけでは変えられないものがあったのだと、今では思います。
この体験から学んだことを、次の3つにまとめました。
①評価は能力だけで決まらない
②他人の評価=自分の価値ではない
③共有された印象は、簡単には覆らない
ここから先は、私の体験をもとに、歪んだ評価が作られるまでを整理していきます。「嫌われているかもしれない」と感じている方がいたら、自分を責める前に、一度立ち止まるきっかけになれば幸いです。
私は仕事ができない社員
転職して間もない頃、私は電話対応や伝票発行、来客対応を一番手で行うよう係長から指示を受けました。そこに営業からの見積書作成依頼も重なり、すべての作業が同時に発生する状態になっていました。

業務が進まず係長へ相談すると、フォローはなく叱責され、助けは得られず。常に手一杯というより、限界に近い状態でした。電話を取れば来客対応ができていないと注意され、来客対応をすれば伝票発行を急ぐよう注意をされます。同時にすべてが発生すると、どれか一つしか対応できません。
優先順位の確認をすると、「全部同時にできないから、自分の仕事を他人にやってほしいってこと?他の人に失礼だと思わないの?」と、話の軸をまったく違うものに変えられ、感情的に指導されました。

さらに、周囲には「自分のことしか見えていないから困っている」と相談のように話していました。話を聞いた営業が目にするのは、毎日叱責を受ける私。「他の人に自分の仕事をやらせようとしないで」「電話ばかり取らないで、来客対応もして」といった言葉。今までなんとも思っていなかったその光景が、先の相談内容の裏付けとなり、結果として「仕事ができない人」という印象が広がります。
一度そう見えてしまったものは、そう簡単に覆らない。自分ではできる限り対応していましたが、社内で固定された私の印象が、良くなることはありませんでした。
「噂」という情報共有
個々が持つ「困った新人」という印象は、雑談という形で社内に広がります。タバコ休憩や昼ご飯の時間など、営業同士の会話中で「そういう新人らしい」と共有されていく。事務所では毎日のように叱責が行われているため、見ようと思えばいつでも「事実確認」ができる状況が準備されています。

・先に評価が共有される
・横のつながりで認識が拡散する
・日常の光景がその裏付けになる
この流れができあがると、この歪んだ評価が、「事実以上に事実」となり得ます。
中途入社で勤続3年の係長と、1ヶ月前に入社したばかりの新人。
「困った子なんだよ」
「私はできる限りやってます」
周囲がどちらの言葉を信じるのかは一目瞭然です。これまで大きなトラブルを起こしていない係長の言葉であれば、なおさらです。個人の努力とは関係なく「できない人」という評価が形づくられてしまうと、その印象を覆すのは決して簡単なことではありません。
事務職の評価は、こう決まる
職場での評価は、「仕事をきちんとしているか」だけでは決まらないことがあります。実績や数字が評価に直結する職種もありますが、事務職の場合はそう単純ではありません。電話を何本取ったか、来客対応を何回こなしたかは、明確な「成果」として扱われにくいからです。
その代わりに影響するのが、「周囲からどう見えているか」という印象です。印象ひとつで、評価はまったく違うものになります。
・自分の努力が足りないから
・どうにかして全部さばけるようにしないと
そんなふうに考え、試行錯誤を重ねていましたが、周囲の見る目が変わることはありませんでした。入社から1年以上経ち、自分の業務を定時までに捌けるようになっても。
「嫌われている」「周囲からの評価が低い」という他人の評価と、自分の価値はイコールではありません。評価は、「仕事をきちんとしているか」だけでなく、構造や雰囲気によってまったく違うものになります。
評価は、あなたの価値そのものではない
職場での評価は、思っている以上に曖昧なものです。努力や能力だけでなく、立場や空気感、職場での噂によって形づくられることがあります。
「自分は仕事ができないのではないか」「嫌われているのではないか」と感じているなら、すべて自分の問題にしなくてもいいのかもしれません。まずは一度立ち止まり、少し距離を置いて、今の環境を冷静に見つめ直してください。

与えられた仕事を真面目にこなしているのなら、「従業員」としての価値は、間違いなくあります。周囲の視線に萎縮し、自分を責めて、自分で自分の評価を低く見る必要はありません。あなたの価値は、誰かの言葉で決まるものではないのだから。



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