【体験談】家族経営のヤバい実態4選

家族経営の会社で働くと、「なんか普通の会社と違う?」と感じる瞬間があります。私も家族経営の会社で何社か働いたことがありますが、「一般的な会社とは全然違う」と思うことが多々ありました。家族経営は、人によって本当に合う・合わないがハッキリ分かれます。

発注ミスは自腹で弁済、残業代はまさかの現物支給、休憩開始は奥様の一声待ち、真冬でも暖房器具は使用NG…。これらの出来事は、すべて実際に経験した内容です。どこを切り取っても、家族ルールで動いている職場でした。

この職場では、「もう無理かも」と判断する出来事がいくつも続き、最終的には1ヶ月半で退職しました。以前の記事の続きにもなるので、もし同じような環境で働いている方がいれば、「自分ならどこで無理だと感じるのか」を考える材料にしてもらえれば嬉しいです。

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内勤業務を担当していたのは、奥様+退職予定の事務員マキちゃん(仮名)。奥様は経理を担当し、その他の業務はほぼすべてマキちゃんが行っていました。私はその後任として、彼女の業務を丸ごと引き継ぐことになっていました。

その中に、発注業務があります。そこでまず教わったのが、「発注ミスをしたら、自腹で買い取り」というルールでした。「ミスなく続けば、インセンティブとかあるんですか?」と聞いてみましたが、答えは「何もないですよ」。つまり、発注担当者(私)だけがリスクを負う仕組みです。

扱う商品の単価は5,000円以上がメイン。手取り12万円(試用期間は手取り10万円)の給料で背負うには、あまりにもリスクが高すぎます。

成功してもプラス報酬はないのに、失敗したときだけ個人に負担が来る。そのバランスの悪さに、強い違和感がありました。

昼休憩の謎ルールにも衝撃を受けました。昼休憩の開始時間になっても、自分主体で休憩に入ることはNG。奥様の「はい、お昼にしましょう」の一言がないと休憩に入ってはいけない、というルールでした。

改善できないかマキちゃんへ聞いても、「ここは社長と奥様の会社だから、私たちは従うだけです」と、謎の忠誠心を見せられるだけでした。休憩時間になった時にマキちゃんへアイコンタクトしても、無言で首を振られて終わりです。

その結果、1時間のはずの休憩は45分。ひどい日は30分。開始が遅れたから、終わりの時間を後ろ倒しにするということはなく…。休憩時間は45分以下が普通。就業ルールというものは存在せず、お昼休憩は「奥様の仕事の忙しさ&気分」によって左右されていました。

この会社には、残業代という制度が存在しませんでした。「うちは残業代は出せないから、定時になったら早く帰ってね」と奥様は言うのですが、実際には定時以降にならないと(営業が帰って来ないと)動けない業務がいくつもありました。

 「早く帰ってね」という建前の裏で、「今日の仕事は全部終わらせてから」という前提がひっそり付いているため、結局は無償労働になる仕組み。つまり、実際には残業前提の働き方を求められており、定時に帰るのは現実的に不可能でした。

残業ありきの働き方なのに、残業代が出ない会社。腑に落ちないので「まったく残業代が出ないのか」とマキちゃんに尋ねたところ、「社長の意向で残業代はないんですけど、たまに奥様が差し入れしてくれるんですよ」とニッコリと教えてくれました。

実際、私も残業した日に「レトルトハンバーグ1個」や「みかん1個」をもらったことがあります。とはいえ、それが一日1時間半の残業の対価だと言われると…受け入れられない。この会社では「差し入れ=残業代」という認識が成立していて、みんな納得している様子でした。残業代が現物支給…一般企業との感覚のズレが大きすぎて、もはや別世界でした。

私が初めて「残業代」をもらった日の話

ある日の残業中、奥様からB5サイズの茶封筒をそっと渡されました。封筒は半分に折られ、手に持つと妙に分厚い。

「いつもありがとうね、これ、よかったら…」

現金? 商品券? とドキドキしながら、帰宅後に開けてみると、中から出てきたのは「ちょっと良いとこのレトルトハンバーグ」が1個。一瞬状況が理解できませんでしたが、まさか…これが残業代の代わりってこと?と気づきました。この瞬間、「規則が曖昧な職場は待遇も曖昧になる」と実感しました。

とりあえず食べたけど…
そうじゃない感がすごかった

そして後日、また残業していた日のこと。
奥様が「いつもありがとうね、これ、もらったものだけど」と言いながら、私たちの机にみかんを1個置いていきました。マキちゃんはキラキラした目で「奥さん、いいんですか?」と嬉しそう。奥様も「いいのいいの」と照れながら微笑む。

私も一応「ありがとうございます」とは言いましたが、この価値観に馴染むのは難しいかもしれない…と感じました。これで喜べる人たちにとっては、私のほうが「ちょっとズレてる人」なんでしょう。遠い世界に迷い込んでしまったような感覚でした。

初日から驚いたのが「室内の暖房器具は使用NG」というルールでした。

冬でも社内は底冷えして、PCのキーボードを打つ指が思うように動かないほど。奥様にやんわりと「作業に支障があるので暖房を…」と相談しても、「うちはお金がない会社だから、みんなで節約しないとね」という返事。

そのため、ヒートテックの重ね着や貼るカイロを使いながら、事務員とは思えない防寒装備で業務をこなしていました。ですが、来客時だけは暖房を入れるため、「極寒→暑さMAX→極寒」の状態になり、体がついていきません。目眩を感じることもありました。社員の健康より、節約と見栄が優先される方針に「この会社は環境を改善する気がないんだ」と確信。

社員の体調より節約を優先する職場は、長く働き続けるのがどうしても難しくなります。この点は、「このままここで働くのか」ということを見直す判断材料になると思います。

「家族経営はすべてが良くない」というわけではありません。 実際に働きやすい会社もたくさんあると思います。ですが、逃げたほうがいい会社は確かに存在します。

・家族以外にだけリスクを背負わせる
・家族以外の社員の発言権がない
・労働環境が悪いが改善しない
・ルールが曖昧

このような、経営者家族だけが得をするルールばかりの会社では、長く働き続けるのはどうしても難しくなります。そこで感じた違和感は、自分を守るためのサインです。もし、「このままここで働き続けられるだろうか?」と自分に問いかけたときに、心の中でNOが浮かぶのであれば、その感覚を大切にしてください。

働く場所はひとつではありません。
自分を雑に扱う環境から離れることは、逃げではなく、自分の人生を築くための大切な選択です。

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