退職届の書き方は?上司への伝え方から受け取り拒否の対応まで

会社を辞めようと決めたものの、「退職届って、どう書けばいいの?」「いつ会社に出したらいいのか分からない」と悩んでいませんか?実は、退職届の書き方は簡単ですが、難しいのは上司への切り出し方や、受け取ってもらえなかったときの対応です。「お時間いいですか」と声をかける瞬間の方が、100倍緊張すると言っても過言ではありません。

この記事では、退職届の書き方、上司への切り出しセリフ、受け取り拒否されたときの対処法をまとめました。事情があり直接渡せない場合の対応についても紹介しているので、「バックレ退職」するしか…と諦める必要はありません。どんな状況であっても、きちんと退職できる流れを紹介していますので、安心して読み進めてみてください。

目次

すべて会社を辞めるときに提出する書類ですが、使う場面が異なります。結論としては、ほとんどの人は「退職届」を使うことになります。一般的には、上司と退職日を話し合って決めた後、正式な書面として提出する流れになります。

ドラマや漫画であるような、「退職願をカバンに忍ばせて、退職の意思表示と同時に提出する」のは、あまり現実的ではありません。退職届を使う方が、現実世界では一般的だと覚えておきましょう。

書類名意味使う場面
退職願退職を「お願いする」書類退職日を調整する前段階
退職届退職を「通告する」書類退職日が決まった後に提出
辞表役員・公務員が使う書類一般社員は使わない

退職届を出すより先にやるべきことは、口頭で退職の意思を伝えることです。退職届を提出する一連の流れの中で、ここが一番のヤマ場。退職届の提出は、その後の事務作業にすぎません。「上司が一人になったタイミングで声をかける」と一般的には言われますが、そんなに都合よくいかないのが現実です。そのタイミングを待っているうちに、2日…3日…と過ぎてしまうため、完全に一人になるタイミングを狙う必要はありません。

周囲にいる人たちも、「どうしたんだろう?」と耳を澄まして聞いているため、セリフは必要最低限に留めるようにしましょう。

声をかけるタイミングと、声のかけ方

声をかける時間帯と日程選びは、想像以上に大切です。忙しいときに声をかけてしまうと、話を聞いてもらえないことや、話は聞いてもらえても、その後の日程調整を忘れられてしまうことも。相手に余裕のありそうな時間帯が、一番スムーズに話が進みます。

・業務が一段落した平日午後(朝一番・終業間際は避ける)
・忙しい日(月初・月末・繁忙期)は外す

上司が一人になるタイミングを狙うのではなく、周囲の人数が最も少なくなる時間帯が無難です。「周囲の人に話を聞かれるから嫌だな…」と先延ばしを続けると、退職できる日がそれだけ遅くなってしまいます。「明日の午後」と日時を決めて、時間が来たら思い切って動き出すのが一番です。

周囲の目があるため、「すみません、お話したいことがあるのですが、お時間よろしいでしょうか?」と、シンプルに伝えます。「退職」という言葉は出さず、「時間をいただきたい」という主旨を一言伝えれば大丈夫です。会議室や応接室に移動した後、本題を切り出す流れになります。小さい会社の場合だと、「ここで話して」と言われる場合があります。その際は、その場で本題を話すことになります。

退職希望の伝え方

上司に伝える際は、穏便な伝え方が一番好まれます。会社の人間関係で退職する場合、「最後に何か言ってやりたい」と思う気持ちがあったとしても、何も言わないのが得策。この段階まで来たのなら、文句を言うのではなく、自分がスムーズに会社を辞められることに焦点をあてて進めていきましょう。

■ 一般的な伝え方(穏便に進める場合)
「ご相談」という言葉を使うと、柔らかい印象になります。

「◯月末をもって退職したいので、本日はご相談に参りました。」

■ 話を短く済ませたい伝え方
相談ではなく「報告」することで、話を伸ばされにくくなります。「考え直してくれない?」と引き止められることが心配であれば、「決定事項を報告する」姿勢がスムーズに進みます。

「◯月末で退職させていただきます。退職届は◯月中にお持ちしますので、よろしくお願いします」

よく聞かれる質問への返し方

退職を切り出すと、「急にどうしたの?理由は?」と質問をされる場合があります。詳細を伝えてもいいですし、話したくない場合は「本当に急で…すみません」と言葉を濁せば大丈夫です。「人間関係が…」「給料が…」と本音を伝えても、退職日までの空気が悪くなるだけで、何も得しません。スマートな言葉を選ぶようにするのがおすすめです。

「急にどうしたの?」と聞かれたら
穏便に済ませられ、追及されにくい言い回しがベスト。次のような回答がスマートです。

「家庭の事情で退職したいと考えています」
「私自身の都合で、大変申し訳ありません」

よく紹介される答え方として「一身上の都合です」とありますが、この答え方はおすすめしません。口に出すと、拒絶の意思が色濃く伝わってしまいます。「一身上の都合」は、退職届に書く場合のみ使いましょう。

「考え直してくれない?」と引き止められたら
お礼+謝罪のクッション言葉を使い、きちんと断りましょう。気まずさから、「考えます」と言ってしまうと、相手に期待を持たせてしまいます。上げてから落とすような対応は、相手を怒らせる結果に繋がりかねません。

「ありがとうございます。ですが、もう決めたことなので、申し訳ありません」

この他にも「今は人が足りないから」「もうすぐ忙しい時期だし」と、退職を考え直すようほのめかされることもあります。承諾しても、次に切り出すとまた同じ理由で引き伸ばされ、ズルズルと退職できなくなることも。会社の事情も大切ですが、自分の人生に責任を取れるのは自分だけ。退職するには強い意思が必要です。

退職届は、手書き・パソコン作成のどちらでもマナー違反ではありません。退職届は、縦書き・横書きどちらを使ってもいいですが、一般的なのは縦書きです。強いこだわりが無い限り、縦書きをおすすめします。ここでは、縦書きの書き方をご紹介します。

■用意するもの
用紙:白無地の便箋(A4・B5)。罫線入りも可
ペン:黒のボールペン。消せるボールペン不可
封筒:郵便番号枠のない白無地封筒。便箋がA4なら長形3号、B5なら長形4号

縦書きの書き方

もっとも一般的な書き方です。手順は次のとおりです。

① 表題:「退職届」(中央やや上)
② 書き出し:「私儀(わたくしぎ)」(下詰めで1行目)
③ 本文:退職理由と退職日
④ 提出日
⑤ 所属部署と氏名(押印)
⑥ 宛名:会社の代表者名(最終行、上詰め)

・退職理由は「一身上の都合」。具体的な理由は不要です
・退職日は上司と合意した日付を記入
・署名だけは必ず手書きする

「殿」「様」「御中」の使い分け

退職届の宛名で迷いがちなのが、敬称。退職届の場合、宛先は会社代表者になることが多いので「殿」を使うのが基本です。

殿:役職者の個人名宛て(例:代表取締役社長 ◯◯ ◯◯ 殿)
:個人名宛て(例:◯◯ ◯◯ 様)
御中:部署・組織宛て(例:人事部 御中)

押印は必要?

近年、行政手続きを中心に脱ハンコの流れが進んでいますが、退職届には押印しましょう。押印してあれば不備になることはありませんが、押印しないと不備として差し戻される可能性もあります。無難にスムーズに進めたいなら、押印が安心です。印鑑は認印で大丈夫ですが、シャチハタは避けましょう。


・表面:中央に「退職届」と書く
・裏面:左下に所属部署と氏名を書く
・郵便番号枠のない白無地の封筒を使用

■便箋の折り方
① 三つ折りにします。文字面を内側にして、下から3分の1を上に折る
② 上から3分の1を下に折る(三つ折り完成)
③ 便箋の右上端が、封筒裏の上部になるように入れる

退職日が決まった後、最終出社日までの間に提出します。トラブルを避けるためにも、退職日決定後はすみやかに提出しましょう。退職が決まったあとの事務作業の一つなので、時間をかけずに短時間で終わらせます。

■渡す相手
基本は直属の上司。上司との関係が悪化している場合は、上司の上司、もしくは人事部に直接渡します。

■渡すときのひとこと
「先日お伝えした件の退職届です。よろしくお願いいたします」

退職の意思を伝えたのに、上司が退職届を受け取ってくれない。一旦預かると言われ、人事に回してくれない。日付を変えるよう言われた。会社側に「拒否権」はないのですが、実際の現場では、こういうことが普通に起きます。民法627条では、退職の意思を伝えてから2週間後に、会社の承諾なしに労働契約は終了すると定められているため、法的には退職を止めることはできません。

シーン別の対処

■上司が人事部に渡してくれないとき
上司を説得するのではなく、退職届を人事部に直接持参しましょう。

■「日付を変更して」と言われたとき
「申し訳ありませんが、◯月末から変更はできません」と伝えて大丈夫です。

■受け取り拒否をされたとき
上司に受け取り拒否をされた場合は、人事部へ持参。会社から受け取り拒否された場合は、内容証明郵便で会社の人事部宛に送るのが最終手段。郵便局の窓口へ行き、「内容証明を出したいです」と伝えれば、簡単に送ることができます。費用は1,500円ほど。「いつ・誰が・何を・誰に」送ったかが郵便局の記録に残るため、後日「そんなもの届いていない」と言われても、提出をした証拠になります。

体調を崩している、ハラスメントを受けての退職なので会社に行けない。「会社に行けない」事情があるのなら、無理に出社して手渡しする必要はありません。手続きとしては、退職届が人事担当者の元へ届けば進められるので、郵送などの方法で対応できます。

①郵送で送る

退職届より一回り大きな郵送用封筒に入れて送ります。「直接渡さないと失礼」と言う人もいますが、郵送はマナー違反ではありません。状況に応じて選択肢の一つに入れることができます。

簡易書留で送る。配達記録が残るので安心
・宛先は「人事部 御中」
・送る前に必ずコピーを取っておく

②内容証明郵便

会社から受け取り拒否をするなど、「揉めている状況で使う」方法です。トラブル退職の場面では、一番安全な選択肢。言った言わないを防ぎ、確実に退職する方法です。

・郵便局窓口へ行き「内容証明を出したいです」と伝えれば送付可能
配達証明をつけると、届いた日も記録される
・費用は内容証明1,500円ほど+配達証明350円

③退職代行という選択肢

上司の顔を見るのも怖い。精神的に限界で、自分ではもう動けない…という場合、退職代行サービスを使うのも一つの選択肢です。自分の心と体を守ることが最優先なので、必要だと判断したのであればぜひ活用しましょう。

・料金相場は2〜3万円ほど
・即日対応で出社せずに退職可能
・退職届の提出から会社とのやり取りを代行してくれる

Q.出したあとに撤回できる?

退職届は受理された時点で効力が発生するため、原則として一方的な撤回はできません。会社が承諾した場合に限り、例外的に撤回できることもあります。

Q.菓子折りは一緒に持っていく?

退職届を出す時点では不要です。菓子折りは最終出社日に持参するのが一般的です。

Q.有給は全部消化できる?

残っている有給は、すべて消化できます。「この状況で取れるわけないでしょ」と断られた場合は、書面で有給申請するのが確実です。必ず使い切る必要はありませんが、有給は労働者の権利です。自分が後悔しないよう選択しましょう。

退職届を書いて提出する。たったこれだけの作業ですが、人生の中でめったに行わない作業なので、調べて行動して…ものすごくエネルギーが必要。途中、気疲れしてしまうこともあります。ですが、その行動を一つ行うごとに、次の環境へ一歩また一歩と向かっています。

もしスムーズにいかなくても、選択肢は用意されているので大丈夫です。使える制度はきちんと使い、一つずつ行動していきましょう。キレイな終わり方でも、そうでなくても、私たちの人生は続いていきます。前を向いて進めば、今まで見えてなかった景色が見えてくるはずです。

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