仕事が合わないと感じたときの退職判断の整理軸

求人票を見て「この業務ならできる」と思って入社したものの、実際に働き始めると「仕事が合わない」と感じたことはありませんか?職種は一致していても、追加業務や仕事の進め方、体制の問題によって、想定とは異なる負担が生じることがあります。

想定外の業務や体制のズレによって、仕事が合わないと感じる状況は、決して珍しいものではありません。私自身も、こうした違和感に何度も向き合ってきました。

本記事では、「仕事が合わない」と感じる背景を5つのパターンに分け、今できること、改善が見込めるかどうか、退職を考える際の判断基準を整理しています。「仕事が合わない」と落ち込まずに、現状を冷静に見つめ直すための材料として役立てていただければ幸いです。

目次

「仕事が合わない」と感じる理由は人それぞれですが、まず多くの人が最初につまずきやすいのが、想定していなかった業務が増えていく場合です。

・お茶出しや来客対応
・他部署や他人の補助作業
・社内の雑務全般 

これらが、説明なく日常業務として組み込まれていることがあります。問題なのは業務そのものではなく、説明がなく業務範囲が曖昧なまま追加されることです。その結果、 次のような状況になり、自分の本来の強みが活かせない状況に陥りやすくなります。

・本来の業務に集中できない
・評価基準が分からない
・作業の優先順位が分からない

追加業務の中に苦手な作業が含まれていると、本来の業務ができていても評価が曖昧になります。評価されない状態が続くと、「仕事が合わないのでは」と感じやすくなります。

試せる小さな対処法

追加業務が多いと感じたときは、本来の業務と追加業務を明確に線引きすることが大切です。業務の境界が見えるようになると、自分だけでなく、周囲にも「どこまでがこの人の担当業務なのか」を意識してもらいやすくなります。

・自分が担っている業務一覧を書き出す
・本来業務と付随業務を分けて把握

業務を可視化することで、本来業務と付随業務がそれぞれどの程度の割合を占めているのかを客観的に把握できます。緊急性が低いものについては、本来業務が終わってから対応してよいかを一度確認してみましょう。優先順位を整理することで、自分だけでなく、周囲にとっても業務の線引きが少しずつ見えやすくなっていきます。

改善が見込めるかどうかの判断基準

想定外の業務が多い場合、判断基準は「自分がどこまで我慢できるか」ではありません。職場側に、業務を調整しようとする意思があるかどうかです。

【改善の可能性あり】
・業務範囲の相談をすると調整の話が出る
・優先順位について指示がある

【改善の可能性が低い】
・業務を減らす、調整する姿勢がない
・自分勝手な主張として扱われる
・本来の業務と追加業務の優先順位が曖昧

業務の調整が行われない場合、個人の工夫だけで負担を減らすことは難しくなります。役割を定義しない設計の職場では、会社と自分の期待値がズレている可能性があります。業務範囲について相談したときの職場の反応を、今後も続けられる環境かどうかを考える一つの材料にしてみてください。

経理事務として入社したのに、実際は一般事務や総務、雑務まで含まれていた。このように、職種と業務内容が、一般的に想定される範囲と一致しない場合も、仕事が合わないと感じやすい要因です。

特に、少人数や家族経営の企業では起こりやすい問題です。例えば「事務=社内のことを全部やる人」という前提で業務が設計されていることがあります。

・専門性を活かせない
・自分の強みが評価されにくい
・業務内容が日によって大きく変わる

というズレが起こりやすくなります。職種に対する、会社と自分の認識が大きく異なり、役割の軸が定まらないことが問題です。

試せる小さな対処法

職種と業務内容のズレを感じたときは、一般的に想定される職種の役割(自分が想定していた役割)と、会社が想定している役割の範囲を、業務量の比率で確認します。そのうえで、その認識に差があることを会社と共有し、調整が可能なのかを確認することが必要です。

・本来の業務とその他業務の比率を把握する
・優先度が高い業務を明確にする
・役割認識のズレを上司と共有する

これらの整理した内容を会社と共有したうえで、調整が可能なのか、それとも会社の体制的に調整は不可能なのかを確認することが大切です。

改善が見込めるかどうかの判断基準

業務内容が想定とずれている場合、改善が見込めるかどうかは、業務内容を線引きしようとする姿勢が職場側にあるかで判断できます。

【改善の可能性あり】
・本来の業務について明確な説明がある
・業務の線引きや優先度、内容の調整がある
・「今だけお願い」といった説明がある

【改善の可能性が低い】
・全部やるのが当たり前という前提
・業務調整について曖昧・不機嫌な回答が続く
・役割を整理する姿勢がない

業務内容のズレは、話し合いによって調整できる場合もあれば、構造的に難しい場合もあります。業務内容について話し合ったときに、職場がどのような反応を示すか。その姿勢を見て、今後も働き続けられる環境かどうかを考える材料にしてみてください。

「自分の作業は、誰かの作業が終わらないと始められない」このように、業務の前後関係が強く、自分ではコントロールできない体制も、仕事が合わないと感じやすい原因です。

・営業の対応後でないと処理できない
・上司や別部署の確認待ちがある
・他人の遅れが、自分の作業に影響する

このような状況では、自分の工夫だけで仕事を進めることが難しくなりがちです。業務の流れが適切に設計されていないことが、影響している場合があります。

試せる小さな対処法

体制に原因があると感じたときは、業務の流れを整理し、どこに問題があるのかを職場に相談できる形にしておくことが大切です。

・自分の作業前後の工程を書き出す
・遅れが常態化している工程を把握する

業務の流れを可視化しておくと、体制のどこに無理があるのかを具体的に伝えられるようになります。そのうえで、遅れが出ている工程や確認フローについて、上司や関係部署に一度相談してみるところから始めてみましょう。

改善が見込めるかどうかの判断基準

改善が見込めるかどうかを考えるときは、業務の流れを見直そうとする姿勢が職場側にあるかどうかが一つの判断軸になります。

【改善の可能性あり】
・業務フローを確認しようとする
・役割ごとの締切の調整が行われる
・遅れが出た場合のフォロー体制が整えられる

【改善の可能性が低い】
・体制を見直す姿勢がない
・「仕方がない」「今までもそうだった」で終わる
・個人の能力の問題として扱われる

体制の問題が個人の問題として扱われる職場では、業務の流れを見直そうとする動きが起きにくくなります。見直しについて相談したとき、職場がどのような対応をするのか。そして、その流れは自分の力を発揮できるものになっているのか。一度立ち止まって考えてみてください。

会社にシステムはあるものの、入力するだけで業務が自動化されるわけでもない。紙保管やFAXでのやり取り、手作業が当たり前になっていると、非効率な時間が発生し、「仕事が合わない」と感じることがあります。

・アナログ管理が中心で手作業が多い
・PCが共有で、順番待ちが発生する
・入力や確認作業が二重三重に発生する

このような環境では、待ち時間や無駄な手間が生じやすく、個人の工夫だけで改善するのは難しくなります。
本来は業務を支えるはずのシステムが、かえって仕事の進めにくさにつながっている場合もあります。

試せる小さな対処法

システムやツールに原因がある場合は、業務への影響を事実として整理し、「システムの問題」として上司や業務の管理者に相談することが有効です。

・システムやツールが原因で生じる問題を書き出す
・発生する待ち時間や二度手間を把握する

事実を整理したうえで相談することで、問題を個人の能力として片づけられずに済みます。どの作業でどれだけ支障が出ているのかを、上司や業務の管理者に一度共有してみましょう。

改善が見込めるかどうかの判断基準

改善が見込めるかどうかは、仕組みそのものを見直そうとする姿勢が職場側にあるかどうかで判断できます。

【改善の可能性あり】
・ツール導入や運用変更の検討がされる
・暫定対応でも負担軽減の工夫がある

【改善の可能性が低い】
・「今までこうしてきた」で終わる
・非効率さを個人の工夫で埋める前提
・改善提案が面倒扱いされる

システムの問題が放置される職場では、効率化を進めるのは難しくなります。会社が動いてくれるその日まで、自分が働き続けることができるのか。一度立ち止まって考えてみてください。

会社側は「一人でやるのが当然の量」と捉えているけれど、明らかに一人でこなす量ではない。この状態も、仕事が合わないと感じやすい要因です。

・昼休みを返上しないと終わらない
・トイレ休憩も満足に取れない
・残業を前提にしないと業務が回らない

こうした働き方が続くと、「できていない感覚」だけが残りやすくなりますが、この場合は「限界を超えた業務量」が前提になっている構造の問題です。業務量を見直す姿勢がない職場では、休憩を削ったり、残業や気合いで回すしかなくなります。その結果、努力しても楽にならない日々が続き、「仕事が合っていないのでは」という感覚が作られてしまうのです。

試せる小さな対処法

業務量が多すぎると感じたときは、現在の業務量を確認します

・1日の業務を雑務まで書き出す
・日中と残業時間の作業に振分ける

「忙しい」という感覚ではなく、「どれだけ抱えているか」を可視化することで、自分の現状を把握し、相談の土台を作ります。

改善が見込めるかどうかの判断基準

改善が見込めるかどうかは、業務量を調整しようとする姿勢が職場側にあるかどうかで判断します。

【改善の可能性あり】
・「今の状態は無理がある」と共有認識される
・業務の再配分や優先度調整の話が出る
・人員補充が検討される

【改善の可能性が低い】
・「忙しいのは当たり前」で片付けられる
・残業や根性で乗り切る前提
・業務量の相談をすると、やる気がないと評価される

業務量が明らかに過剰な職場では、個人の努力で状況を変えることは困難です。その働き方を、この先も続けていけるのか。一度立ち止まって考えてみてください。

求人票の募集職種を見て、「この仕事ならできる」と判断して応募したはずです。少なくとも、その職種に一定の自信があったからこそ、入社を決めたのではないでしょうか。それでも「仕事が合わない」と感じているのなら、問題は職種そのものではなく、その仕事を行うための環境や体制、付け足された業務にある可能性があります。

「仕事が合わない」と感じたとしても、それはその職種が合わないという意味ではありません。その仕事を取り巻く設計が、無理のある状態を生んでいるだけかもしれないのです。

今の場所は、自分の力を発揮できる環境でしょうか。それとも、無理をしないと成り立たない環境でしょうか。もし後者だと感じるなら、これまで整理してきた判断軸をもとに、今の職場を一度客観的に見直してみてください。合わなかったのは仕事ではなく、環境だったと気づくきっかけになるかもしれません。

まずは、今の職場で「変えられそうなこと」と「変えられないこと」を書き出すことから始めてみましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次