転職先で、「これが普通なの?」と思ったことはありませんか。自分が考える当たり前と、職場が考える当たり前の基準がずれていることは、決して珍しくありません。私の場合、入社初日に会社のトイレが壊れていることを知り、2週間で退職したことがあります。問題は設備そのものよりも、「これが普通」とされている空気。その基準の中で働き続けることはできませんでした。
この記事では、その出来事を通して「それぞれの価値観の基準」を整理します。読み終えたとき、自分にとって譲れない最低ラインや、判断の軸が見えてくるはずです。違和感は甘えではなく、価値観のズレ。もし今、職場に違和感を抱えているなら、一度立ち止まって確かめてみてください。
この体験で学んだ3つのこと

入社直後、会社にトイレがないと知らされ、結果として2週間で退職しました。当時は「こんな理由で辞めるなんて情けない」と落ち込みましたが、今は職場環境と自分の基準には相性があると思っています。
この体験から得たことは、次の3つです。
① 働く環境は想像以上に大事
② 違和感はだいたい当たる
③ 我慢できる基準は人それぞれ
ここから先は、その体験を時系列で振り返ります。「私だけがおかしいの?」と悩んでいる方にとって、自分の基準を見つめ直すきっかけになればうれしいです。
会社のトイレは使えない
入社初日、この会社のトイレは使えないと知らされました。数年前に壊れたままで、修理の予定もないというのです。家にも、一般的な会社にも、公共施設にもあるはずのものが、ここでは機能していない。入社してまだ30分。想定外すぎて、言葉が出ませんでした。

「トイレに行きたくなったら、数十メートル先のスーパーを使えばいいですよ」
事務員の方は当然のように言いました。
「そのスーパーと会社は何か関係があるんですか?」
社長の親戚が経営しているのか、提携しているのか。何か理由があるはずだと思ったからです。けれど、特に関係はないとのことでした。つまり、何の関係もないスーパーのトイレを、日常的に利用しているということです。その瞬間、「働くための最低ライン」が、音を立てて崩れた気がしました。
トイレが使えない会社で働く
何の関係もないスーパーのトイレを、会社のトイレ代わりに使う。他の事務員は平然とスーパーへ足を運んでいましたが、どうしてもそれが受け入れられず、最初は必死に我慢していました。けれど昼頃には限界がきます。結局、意を決してスーパーへ向かいました。

何も買わずに出る勇気はなく、お茶を1本買ってから会社へ戻る。けれど、トイレは1日1回で済むものではありません。午後にも再び行きたくなり、もう一度スーパーへ…。初日の定時を迎える頃には「入る会社を間違えた」という思いが強くなっていきました。
それでも翌日以降も出社しました。生活のためです。水分をできるだけ控え、トイレの回数を減らす。体によくないとわかっていながら、そうするしかありませんでした。トイレは1日2回、多くても3回。それが、私なりの羞恥心の限界ラインでした。

昼休みは、買い物のついでにトイレを使う人。午後は、おやつを買うついでに…。誰に指示されたわけでもないのに、そんな小さな芝居を続けました。トイレへ行くたびに買い物をするので、1日300円ほどの出費。大きな額ではありませんが、地味に痛い出費でした
けれど、本当にしんどかったのはお金ではありません。
・他店の設備を勝手に使う
・壊れたトイレを修理しない会社
・疑問に思わない社員たち
最低ラインの職場環境を整えない会社と、それを受け入れる社員たち。私にとっては信じられない価値観でした。会社だけでなく、ここで働く人たちとも、当たり前の基準がまるで違うのだと気づきました。
生理の日、限界を超える
ですが、この「1日2〜3回」という自己ルールが通用しない日が訪れました。女性特有のあの日です。1日2〜3回では到底足りず、スーパーへ向かう回数はいつもの倍以上になりました。

行くたびに、「またあの人」と思われているんじゃないか…。店内で顔を覚えられているんじゃないか…。そんな想像をしてしまい、仕事とは違うところで必要以上に神経をすり減らしていました。来月も、その次も、同じことが起きる。この状態が繰り返されると考えたとき、この職場での未来は考えられませんでした。
ここでは働けない。
さらに別の問題も重なり、わずか2週間で退職を決意。試用期間中だったこともあり、退職届を出したその日に退職が決まりました。環境が合うかどうかは能力ではなく、それぞれの価値観の問題です。この環境を受け入れられる人もいますが、私には無理だった。それだけのことです。
自分の価値観の基準を知る

「会社のトイレが壊れている職場環境」は設備上の問題でもありますが、従業員をどう扱っているかを表しているように感じました。最低ラインの職場環境を整えない会社は、「社員を大切にしていない」価値観を表していると私は思います。
その環境でも普通に働いている人たちがいると、「自分だけが変なのかな?」と不安になってしまいます。しかし、環境が合うかどうかは、能力の問題ではありません。基準が合うかどうかです。もし違和感があるのなら、それは甘えではなく、価値観がズレているのかもしれません。自分の「最低ライン」を言葉にして、未来の自分を守る一歩を踏み出しましょう。



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