職場の「仲良しごっこ」は、ただでさえしんどいのに、そこに上司が加わっていたら…。学生時代のような悪ノリ、内輪のふざけ合い。それに笑顔で参加しないと、上司の表情が曇り、空気が悪くなる。職場なのに、「遊び相手」や「話し相手」まで求められ、毎日うんざりしていませんか?上司との「仲良しごっこ」は、断れない感情労働のため、付き合う側が疲れてしまうのは当然です。
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この記事では、10社以上で働いてきた社会人歴20年以上の私が、上司との2年間の「仲良しごっこ」体験をもとに、うんざりする理由と、断れない理由をお伝えします。読み終える頃には、自分の中に判断軸が持てるようになり、主体的に考えることができるようになります。「仕事は嫌いじゃないけど、上司とその仲間たちが疲れる…」とモヤモヤしている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
仲良しごっこ上司は現場にとって悪影響
職場では、一人ひとり求められる役割があります。上司はあくまでも「上司」。部下との一定の距離感や、自分の立場をわきまえた振る舞いが求められます。ですが、それらを考えないまま、周囲と友達のように接するタイプが稀に存在するのです。

上司と誰かが一対一で仲が良いだけなら問題ないのですが、周囲を巻き込んだ「仲良しごっこ」をしている場合、職場の雰囲気に良くも悪くも影響を与えます。学生時代のようなノリ、内輪のふざけあい、延々と続く愚痴。求められた振る舞いができないと、一気に空気が悪くなり、業務に支障が出ることも。

友好的な上司と、仲良しごっこをするタイプはまったくの別物。前者はチームの結束を生みますが、後者は要注意。相性が良ければ親友のような結束が生まれるのに対し、合わない場合は排他的な行動を取り始めます。
青春の続きを求めるような上司への感情労働は、心身ともに疲弊します。楽しげな言葉で包まれていても、合わせる側に一方的に差し出させる構図なので、うんざりするのは当然です。世間は上司に「友達ノリ」を求めていません。上司は上司。そこに本人が気づいていないことが、一番やっかいなのです。
①学生時代のようなノリ
私がいた職場の直属の男性上司は、学生時代の一番楽しかった頃のノリを、そのまま職場に持ち込んでいました。キラキラした青春時代の続きを職場に求めているような感じ。内輪の悪ふざけ、テンションの高い雑談、みんなで盛り上がる空気が最高と言わんばかり。一緒にワイワイできれば「仲間」、参加しないと「ノリが悪い」「暗いやつ」扱いでした。

そんな上司は、一時期「男気ジャンケン」にハマっていました。最後に負けた人が、その場の全員分のジュースを奢るゲーム。「よし、男気ジャンケンだ!」の掛け声のもと、「いいですね」「やりますか」と乗ってくる仲間たち。私は水筒持参しているし、負けたら3〜4人分の飲み物代を払うのも嫌。やんわり断ると、「は?」という空気が流れ、付き合いが悪いやつの烙印を押されます。
上司との仲良しごっこの場合、こういう「ノリ」に本心から乗れなくても、乗っているフリをし続けることが要求されます。やりたくなくても参加、楽しくなくても笑顔、興味のない話に相槌を打ち、求められるように振る舞う感情労働。仲が良い・チームワークという言葉でコーティングされがちですが、上司の権力が混ざっただけの仲良しごっこでした。
②聞き役を延々と求められる
「仲良しごっこ」は、聞き役を延々と求められることもあります。休憩中でも定時後でも、こちらの都合は一切無視。ある程度のところで切り上げようとすれば不機嫌になります。上司がスッキリするまで聞き続けることを要求されるのです。プライベートの友達と会社の人では、求めてもいい距離感が全然違いますが、そこを理解できていない上司がいるのも事実。権力を利用しながらも友達のような振る舞いを求めてくるため、とても厄介な存在でした。

人生初のキャバクラへ行った上司。「キャバの子から格好良いって言われたんだけど、実際どう思う?」と、一時期執拗なほど聞いてきました。俺格好良い?と聞かれて、いやブスですと返せる勇者はいません。濁しながら話を聞いていましたが、「格好良いと思いますよ」と上司の太鼓持ち女性社員が返事。上司は、「ほんと?どんなとこ?」と目をキラキラさせて上機嫌。そこから数週間、「俺格好良い?」からの「俺のイケてるところ言え」が、こちらの状況などお構いなしに開催されました。100%リップサービスですよ…とは口が裂けても言えず、愛想笑いの数週間でした。
こちらが集中して見積書を作っていても、定時を過ぎて帰りたくても、プライベートの話題が止まりません。話を遮れば上司は不機嫌になり、仕事の当たりがキツくなるという理不尽に繋がります。仲良しごっこをする上司がいる職場は、時間も心も想像以上に消耗し、メンタルケアサービスをしている気分でした。
友好的な上司との違い
部下と仲良くするのがダメというわけではありません。友好的な上司は下から好かれますし、チームワークも良くなります。友好的な上司と、仲良しごっこをする上司には決定的な違いがあります。それは、「チームワーク」を軸に周囲と仲良くなろうとしているのか、「自分が楽しいかどうか」を軸に周囲を選別しているかどうかです。
前者は、メンバーと平等に関わりながら、それぞれの性格や考えを知り、信頼関係を築いていきます。自分の機嫌を周囲に取らせるようなことはなく、みんなが働きやすくなるよう尽力してくれます。後者は、悪ノリで盛り上がり、気に入った相手とのみ仲が良くなっていく。自分の不機嫌を隠すことがなく、周りがフォローしたり気遣ったりと、自分が楽しくなるよう周囲に気を使わせます。

自分が役職者だという自覚を持って接しているか、個人として接しているかの違いです。会社員である前に一人の人間ですが、自分が「上司」だと職場で忘れられては困ります。この行動の軸を知っておくことで、相手の行動がどちらに寄っているのか確認することができます。
自分を守るためにできること
自分の上司がどんなタイプなのかは運です。席の配置や業務の関わり度合いによっては被害を少なくすることができますが、逆の場合は消耗が激しくなります。仕事で周囲からの信頼を得ることができれば、「あの人は参加しないタイプだから」と、少しずつ許される余地が出てきますが、難易度は高めです。

上司への心の消耗が激しい場合は、心の負担と、自分の給料を照らし合わせてみるのも一つの考え方。通常の業務や心の負担への対価が手取額だとすれば、その金額は妥当でしょうか?問題なければ働き続け、モヤモヤするなら別の場所へ移ることも視野に入れましょう。席替え、部署異動、転職。会社の規模によってできることは違いますが、自分で動くことで、今いる場所から抜け出すことができます。
どんな上司が当たるのかは運次第ですが、そこから先の道は自分次第。上司の「青春の続きごっこ」に、気力や時間を際限なく差し出す必要はありません。ごっこ遊びの登場人物ではなく、自分の人生の主役として、舞台の真ん中で指揮を執っていきましょう。



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