職場の仲良しごっこが疲れる。グループ内の誕生日プレゼントもそのひとつ。誰かが誕生日を迎えるたびに、一人1000円〜1500円が徴収され、みんなから一個のプレゼントを渡す。楽しいイベントのはずなのに、気分は上がらず、ため息が出てしまう。そんな経験に心当たりはありませんか?
この記事では、10社以上で働いてきた社会人歴20年以上の私が、職場の仲良しごっこ内の「誕生日プレゼント」問題を、体験談をもとにお伝えします。読み終える頃には、モヤモヤしていた気持ちの原因が明確になり、考え方の判断基準が分かります。楽しいはずなのに、なんだろう…と思っている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
誕生日プレゼントは、負のループ

仲が良い人同士で誕生日プレゼントを贈り合うのは、珍しいことではありません。ですが、職場の「仲良しごっこ」の関係で行われるとなれば話は別。徴収されるプレゼント代、プレゼント選びのための時間。もらう側でも、あげる側でも、気分は上がりません。ごっこグループ内で「一番最初のプレゼント贈呈」が行われてしまうと、次回、次々回と、なし崩し的に続く負のループが始まります。
勇気を出して「私は不参加で」なんて言えば、不利益を被ることが容易に想像できるため、断れない。この会社で平穏に働きたいのなら「受け入れる」しかない雰囲気。本当は嫌なのに。この感情と現実の板挟み状態が、小さなモヤモヤを生み出しているのです。
年単位で見ると負担は大きい

グループ人数が4人であれば、あげる側で3回、もらう側で1回、年に4回も発生します。徴収される金額は1回あたり1000円〜1500円、年換算で3000円〜4500円。出せる額ではありますが、イベント自体を快く思っていないことが、金額以上の負担を感じさせます。この誕生日プレゼント問題には、次のような不快要素が詰まっています。
①プレゼント選びは時間外労働
プレゼント選びは、代表で誰かが買いに行くこともあれば、3人一緒に行くこともあります。仲が良い者同士ではないため、互いに気を使い、盛り上がっているように振る舞いながら店をまわる。プレゼントを選んだら、ついでのランチ。時間もお金も消え、楽しいフリや気遣いという労働が続くため、お金を払って時間外労働している気分にさせられます。
②本当に喜ばれるプレゼントが選べない
仲良しごっこは、会社で生きていくための浅い関係のため、互いの「本当の趣味嗜好」がわかりません。「変な人」と認定されないよう無難な受け答えをしているからです。3人で出し合えば3000円〜4500円の「ちょっといいもの」が買える金額になるのに、微妙なプレゼントを贈ることになります。リーダー格のボスが、「これいいんじゃない?」と選んだものに「いいですね」と答え、その品を購入するのがお決まりのパターンです。
③渡す場所が第二の出費になることも
誕生日プレゼントは、昼休みに社内で渡すこともあれば、外へランチに行ったり、休日に食事会をセッティングして渡すこともあります。社外で渡す場合、その飲食の場で第二の出費が発生することも。「今日の◯◯さんの分は、私たちで割ろうか」とボスが提案してくるのです。もちろん「そうですね」と答え、主役の食事代を支払います。ボス自身がご馳走してあげたいと思ったのなら、自分だけで払えばいいはずなのに。提案者として良い顔はしたいのに、支払いの部分は下っ端にも負担させるため、モヤモヤが募ります。

④受け取る側になっても喜べない
プレゼントを受け取る側になっても、素直に受け取ることが難しいです。少ない手取りで一人暮らしをしていたり、結婚資金のため日々節約している同僚。実家暮らしで生活基盤が安定しているボスが放つ一言で、そんな彼女たちにランチ代を払わせてしまう申し訳なさ。好みとは違うプレゼント。次回は私も支払う側か…と思いながら、感謝を伝えて楽しそうにしなくてはいけない。すべてが噛み合っていない中、言い出しっぺのボスだけが楽しそうにしていると、一体誰のためのイベントなのか…と、気分は下がっていきます。
「私たち」の行動は止まらない
仲良しごっこグループでキャッキャするイベントがエスカレートすると、誕生日プレゼント問題だけでは終わりません。ボスが「私たち4人から」という名目での参加を気に入ってしまうと、社内の人たちへ、ちょっとした贈り物をしようと提案し始めます。
・お世話になってる課長へ「私たち4人」からバレンタインチョコ贈ろうか
・△△さん、誕生日だからみんなでプレゼント贈る?

ボスだけでは痛手でも、4人で割れば手出し金額は安く済む。徐々にイベントの数が増えていき、年額で計算すると、誕生日プレゼントを含め1万円近くに膨れ上がっていることも。プレゼントは、「私たちからです」とボスが代表して渡すため、彼女の好感度が上がりやすくなります。
他の人は楽しんでいる?
私は嫌だと感じていたイベントでしたが、言い出しっぺのボスは楽しんでいました。他2人も楽しそうに振る舞ってはいましたが、本音は分かりません。

一人暮らしをしている子、結婚資金を貯めている子。両者とも弁当と水筒を持参し、コンビニや自販機なんて言語道断。それぞれの事情があるなか、事務員の低い手取額で、この強制徴収イベントを本当に楽しんでいたのかは、誰にも分かりません。
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誕生日プレゼントとの距離の取り方
全員がノリノリ状態の場合、自分だけ不参加を申し出ることは困難です。ですが、自分以外にも「実は嫌なのかも…?」と思える人がいれば、次のことを伝えれば、負のループから抜け出せる可能性があります。
・「個人的に美味しいお菓子を贈ります」
伝えることはこれだけです。お菓子であれば1000円以下でも十分に美味しいものがあり、消え物なので相手の負担にもならない。渡すタイミングも社内にすれば、それ以上の出費はありません。1人が抜けることで、プレゼント1個あたりの割り勘や、外食のご馳走代などの負担が上がり、ボスの懐が痛みます。さらに、本音では「嫌だ」と思っていた人がいた場合、誰かが抜ければ、「私も…個人的に贈ろうかな」と、後に続くこともあります。
「誕生日プレゼント」に参加しないことは、他の「お金発生イベント」の断りやすさに繋がり、年間の負担が軽くなります。全員が楽しんでいないかもしれない、そんな空気が流れていれば、美味しいお菓子で回避することがオススメです。
誕生日プレゼント問題は、不快の詰め合わせBOX
職場の仲良しごっこの「誕生日プレゼント」問題は、不快の詰め合わせBOXです。そんなに仲が良くない者同士が、仲良しのまねごとをしているため、お金・時間・労力、そして心に負担をかけてしまうのです。

仲が良ければ、ハンカチ1枚でも、ちょっとしたお菓子1個でも嬉しいのが本音ではないでしょうか。小さな贈り物でも心から嬉しいかどうかが、仲良しと、仲良しごっこの分かれ目です。
この会社で働く費用が年約1万円。プレゼントを買いに行く時間として、年3回の無償労働と、そこに付随する約2000円の外食代(自分の代金と主役の分の割り勘)、そして笑顔で楽しそうにする感情労働。お金を稼ぐための会社で、人間関係を円滑にするため、どこまでお金を出して境界線を引くのかは自分で決めていいのです。

自分の手取りから見て我慢ができる金額なのか、休日を差し出すことも良しとするのか。周囲との調和も大切ですが、自分の気持ちを置き去りにしないようにしてください。今より少し楽になるよう、まずは一歩動いてみませんか?その一歩から、また次の一歩が出てくるかもしれません。



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