職場の「仲良しごっこ」が、しんどい。ランチはいつも決まったメンバー、距離を置こうとすれば角が立つ。逃げられない女性同士の関係に、毎日疲れていませんか?「仲良しごっこ」は、同調圧力による感情労働のため、疲れてしまうのは当然です。
この記事では、事務員の「仲良しごっこ」を断れずに続けた数年間の体験をもとに、「しんどさの本質」と「逃げられない理由」をお伝えします。読み終える頃には、疲弊していた理由が分かり、自分なりの判断基準が持てるようになるはずです。「仕事内容より、ランチの時間が憂鬱…」とモヤモヤしている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「仲良しごっこ」は断れない同調圧力

私が働いていた職場では、仕事の都合で、事務員の昼食が二つの班に分けられていました。班のメンバー全員で一緒に食べるのが当たり前。離れて食べることは許されない。特に仲が良いわけではない人たちと毎日食事。休憩するための時間が、気を使って疲れる時間に早変わりします。
どうしても別行動したいときは、メンバーや周囲が納得する理由が必要。「銀行に行く」「郵便局に用がある」。理由もなく一人で行動すれば、周囲からの視線が刺さり、「社交性がない」の烙印を押されます。断っても地獄、参加しても地獄。「事務員は誰とでも仲良くキャッキャしているのが当たり前」という同調圧力が、仲良しごっこの入口なのです。
機嫌を損ねてはいけないボスがいる

「仲良しごっこ」をしんどいと感じる理由のひとつに、グループ内に「機嫌を損ねてはいけないボス」がいることがあげられます。なんとなくリーダーポジションの人物がいて、その人の機嫌が悪くならないよう、細心の配慮が必要になります。どんなに失礼なことを言われても、嫌な顔をせずに笑って受け答えすること。一方で、こちらから相手の触れられたくない話題に話を振るのは、暗黙の禁止です。
・家の間取りは?
・家族の仕事は?
・彼氏の仕事は?
・使ってる◯◯の値段は?
・なんで彼氏いないの?
・結婚の予定ないの?
親しい友達ならまだしも、距離感がバグった「ただの会社の人」が、土足でズカズカと踏み荒らしてきます。どうにか笑顔で答えると、「えー、その◯◯はないわー」とマウンティング。怒ってはいけないし、軽く言い返してもいけない。おどけて受け流すことが、仲良しごっこには必須のスキルです。
「仲良しグループ」であれば全員平等。「仲良しごっこ」は、全員平等ではなくボスがいる。ボスの機嫌を損ねないようにしないと…という危機感が芽生えた関係は、「仲良しの顔をした上下関係」でしかありません。

地獄のような会話
ボスは、平然と境界線を超え、相手の領域を踏み荒らしてきます。心の距離感がバグっていると、このような会話が昼休みにずっと続くのです。疲れる原因は、ほとんどコレといっても過言ではないでしょう。
ボ)彼、仕事は何してるの?
ふ)営業職ですよ
ボ)なんて会社?
ふ)え…なんだったかな?※それ聞く!?
ボ)どの辺にある会社?
ふ)ブログ町です…※しつこいな
ボ)あの辺なら、年収400万ぐらい?
ふ)さすがに知らないですよ※年収聞くの!?
この時点でお腹いっぱいの会話ですが、時間にして1分経っていません。60分休憩の場合、このやりとりが何十回も続きます。他の構成員が「会社名って覚えるの難しいよね」「彼氏の年収はさすがに聞けないよ」とフォローを入れてくれますが、ボスには効果がありません。
ボ)そのネックレス誕生日プレゼント?
ふ)そうです、一緒に買いに行きました
ボ)いくら?
ふ)いや…さすがにそれは
ボ)調べちゃおう♪…2万円か!
ふ)あはは…ですね(苦笑い)
ボ)ちょっと金額渋った感あるね
ふ)私は気に入ってるんですよ
ボ)軽く見られてるんじゃない?
ふ)それはないかと…
ボ)嫌ー無理ー!私なら耐えられない
このように、聞き出す→相手を下げる発言をする→「嫌ー無理ー!私なら耐えられない」までがセットです。私なら耐えられないという言葉で、自分は高嶺の花なんだと、遠回しにアピール&マウンティングをすることで、会話が1セット終了します。一旦ここでスッキリした後は、ターゲットが代わり、次の構成員をネタにして話が始まります。

ボスは、楽しくて満たされる時間。構成員は感情労働の時間。休憩時間を心から楽しむ人と、苦痛だと感じる人が、同じ空間で1時間を過ごす。いびつで苦しい昼休みの完成です。
周囲の視線「うちの女の子は仲が良い」
「仲良しごっこ」をしんどいと感じるもう一つの理由は、「うちの女性事務員は仲が良い」という前提が、職場全体にあることです。単独行動をして腫れ物扱いされると、仕事に支障が出るかもしれないと考えれば、参加して演じるしかありません。求人票には決して載らない、その会社で働くための暗黙の業務が「仲良しごっこ」です。

事務員も人間なので、他人との相性はあります。新しく入った人と、既存の人が、「昼休みも一緒に過ごすレベルで相性が良い」とは限りません。それでも周囲が「仲良く一緒に行動すること」を求めてくる。距離を置けばいい、一匹狼になればいい。そんなアドバイスに従い一人で行動すれば「協調性がない」と烙印。周囲の視線が逃げ道を塞ぐため、息苦しさを感じてしまうのです。
同じ教室で授業は受けられても、休み時間や給食の時間、ずっと一緒に行動するのは無理。仕事は問題なくても、休憩時間もずっと一緒は苦痛。そんな相手は五万といます。だからこそ相手によって距離の取り方を変え、平和に過ごせるよう振る舞うのです。

しかし、「女性・事務員」という属性が加わると、「うちの女の子はみんな仲が良いから」を前提にした振る舞いを求められてしまう。相性は誰にだってあるものです。男性でも女性でも、大人でも子どもでも。

「仲良しごっこ」で疲弊しないための判断基準
「仲良しごっこ」がしんどい理由は、本当は「あまり好きではない人たち」と、仲が良いフリを求められるためです。楽しげな名称の裏に隠された、断れない同調圧力と感情労働。事務員たちの仲が良さそうな姿を見て周囲は満足、グループのボスも満足、構成員は疲弊します。
この空気が完成している職場で、「仲良しごっこ」を避けることは不可能なため、自分自身で「決める」ことが大切です。ここで働くための手段や業務の一環として受け入れる。また、「あの人は仕事がきちんとできる」と信頼を得た頃に、週に1回、2回とランチを抜ける頻度を増やしていく方法もあります。その会社で働くと決めたなら、受け入れつつ、周囲の反応を見て徐々に減らすのが、一番トラブルが少ないです。

その対処すら難しい、でも受け入れ続けるのも疲れてしまう場合は、別の環境に移ることも視野にいれましょう。「仲良しごっこ」を求める会社ばかりではありません。それぞれのスタイルや、距離感を尊重してくれる場所も多くあります。際限なく差し出す毎日が当たり前ではないと気づいたのなら、少しずつ、あなたの時間と気持ちを取り戻す準備を始めてみませんか?あなたの時間と心は、あなただけのものなのですから。


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