職場の仲良しごっこが疲れる。「みんなで飲もうよ」「休みの日、一緒に行かない?」。敷地内だけの関係が、外の世界にまで侵食してくる。自由参加のフリをした、休日の強制労働。誘いを断ると「何断ってんの?」という雰囲気が漂い、げっそりしたことはありませんか?日々の疲れを癒やす大切な一日に、そこまで仲の良くない相手が入り込んでこようとすれば、疲れを感じて当然です。
この記事では、10社以上で働いてきた社会人歴20年以上の私が、職場の仲良しごっこがエスカレートした先に待っていることを、体験談をもとにお伝えします。読み終える頃には、断り方を知っているのに断れない理由や、少しだけ距離を取れる方法がわかります。職場がプライベートに侵食してきていると感じたことがある人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
自由参加のはずが選択肢はない
職場の仲良しごっこがエスカレートすると、時間外の交流に誘われるという地獄が発生します。「みんなで行ってみようか」「予定なければ参加で」という、半強制のような誘い方。参加は自由ですが…と余白を残しつつも、断ると周囲の視線が刺さります。

仲良しごっこには、「こう言えば角が立たない」という断り方はありません。「断った」ことが評価のすべて。その結果、わざとよそよそしい態度を取られたり、当たりの強さで返されます。今後のことを考えれば、行きたくなくても断れない。でも、そんなに仲良くない人たちの機嫌を気にする休日もつらい。
気に入られている人や、一目置かれている人は断っても許されるのに、それ以外は参加しないと減点評価。自由参加のはずなのに断ることができない関係は、決して対等ではありません。我を通す側と、付き従う側。もはや仲良しごっこではなく、ただの歪んだ上下関係です。
①「みんなで飲もう」は上司へのケア
仲良しごっこが大好きな男性上司は、「みんなでゆっくり飲もう」と飲み会を提案してくることがありました。蓋を開けてみれば、落ち込んだ上司を参加者が慰めたり、上司の恋バナを聞き続けたり。ゆっくり楽しく飲むのではなく、上司のメンタルケアが中心でした。

やんわり断ろうとしても、人員を確保するために追及が始まります。
・その用事って何?
・そっちが優先度高い感じ?
暗に「断るな」と言っており、しつこさが漂います。諦めて参加すれば、わざわざ休日に、お金を払って、上司のメンタルケアをして、貴重な一日を潰す。会が終われば彼は満足、こちらはげっそり。何かの罰ゲームでしょうか。
頼むから、開催しないでほしい…。強制労働させられる側の切実な本音です。気の合う者同士でやればいいのに、何でそこに合わない異物を混ぜ込んで、自分色に染まるよう強制するのでしょうか。仲良しごっこの王様になると、周りを冷静に見られなくなり、勘違いが始まるのです。

②「一緒に行かない?」はパシリ要員

何気なく「よく当たるという評判の占い師のところへ行ったことがある」と口にしたときのことです。先輩が話に食いついてきたため、場所や料金を詳しく教えました。同席していた2人も「面白そうだね」と興味を示したところ、「じゃあ、みんなで行ってみる?」と先輩が提案してきました。
突然飛び出した「休みの日を一緒に過ごす提案」に困惑…絶対嫌です。「私は一度行ったので、ぜひ3人で行ってみてください」と遠回しに辞退しましたが、先輩は引き下がりません。
・でも2人は車を持ってないし
・初めての場所で迷っても困るでしょ
・だから一緒に行かない?
この「一緒に行かない?」には、裏の意味があります。「あなたが車を出して、みんなを現地まで連れて行って」です。先輩も車を持っていますが、なぜか私が指名されます。行きたくもない占い代(結構いい値段)を払い、ガソリン代も自分負担。運転のお礼も、お昼をごちそうしてくれることも一切なし。時間とお金と労働力をすべて差し出すこの状態は、どこからどう見てもパシリです。デメリットしかありません。
断る一択にしか思えない状況ですが、仲良しごっこ特有の空気があると、断ることができません。「和を乱すやつ」「あの子だけ異質」と見なされ、周囲から完全に浮いてしまう。これからもここで働くことを考えると、「いいですよ」と愛想笑いするしかなくなります。占いも、合コンも、二人だけの遊びの誘いも。誘えば「はい」と言う相手だとカテゴライズされ、徐々に自分のプライベートが侵食されてしまうのです。
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誘いを断れるのが対等な関係
誘いを断れない時点で、対等な関係ではありません。評価が減点される、わざとよそよそしくされるなど、報復を恐れての参加は、歪んだ同調圧力による上下関係です。気の合う者同士の場合、断ることのハードルが低く、お互い対等に付き合うことができます。

・断っても「わかった」で終わる
・断っても仕事に影響が出ない
・コスト負担が平等
関わっている「仲良しグループ」が、こちらが我慢することを前提に成り立っているのであれば、それは「仲良しごっこ」です。どんなに上手に断っても不評を買い、断った側が損をする構造は変わりません。自分たちの関係が健全なのかは、「断れるか」を基準に見れば、浮き彫りになります。
少しだけ距離を取る方法

仲良しごっこのうまい断り方はありませんが、誘われる回数自体を減らす方法があります。それは、「◯◯が苦手だから、△△には行けない」といった場所を用意しておくことです。例えば以下のようなものです。
・水が苦手なので、水辺は無理
・タバコ臭が苦手なので、カラオケの部屋の臭いが無理
・体力がないので、屋外で長時間は無理
水辺であれば、海やプール、川辺でバーベキュー。タバコ関連であれば、カラオケやスナックなど、主に飲み会の二次会が開催される場所などが該当します。屋外は、遊園地やフェスなど、外で行われるイベントすべてが対象です。毎回「用事がある」と断るのは少しウソっぽい雰囲気が出ますが、行けない場所であれば、何度も使い回すことができます。使い回しているうちに、「あの人は△△はダメだから」と、勝手に除外されるため、断る必要がなくなります。
行けない理由は2〜3個程度であれば、特に追及されず受け入れてもらいやすいのでおすすめです。一次会は諦めて参加しても、二次会を回避できる。それだけで、心も体もお金も救われます。
自分のプライベートを守るために
仲良しごっこは、油断していると、いつの間にかプライベートにまで入り込んできます。これからも今の会社で働くのであれば、すべての誘いを受け入れたり避けたりするのではなく、誘われる回数自体を減らすことが一番現実的な方法です。

すべての負担を一人で背負う必要はありません。そんなに仲良くない人たちの身勝手を、無償で受け入れたところで、相手は感謝すらしていないし、こちらの負担を想像することすらしないでしょう。互いの接点は「同じ会社で働いている」だけ。明確に他人、一心同体ではないのです。自分と相手の人間関係には境界線があること、会社とプライベートも「定時」という境界線があることを忘れずにいたいところです。
人付き合いの範囲は人それぞれ違います。広く浅くを好むタイプもいれば、狭く深くを好むタイプも。自分と相性が良いとは言えない職場の人と、どこまで関係を深めるのか、これから自分はどうするのか。自分で線を引いて決めていいのです。決定権は自分の手の中にあるのですから。



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