【体験談】会社が冷房をつけてくれないのは普通?対策方法と判断基準

暑いのに冷房をつけてくれない。つけても、ぬるい風しか出てこない。家では当たり前にできる温度調節が、なぜか会社では叶わない。「これって普通?」と、思ったことはありませんか。結論から言うと、社員に夏の暑さを我慢させる会社は、決して普通だとは言えません。

この記事では、冷房がまったく効かない会社で2年半働いた私が、暑い事務所内での対策方法と、違和感を覚えたときの判断基準をお伝えします。読み終えたときには、暑い職場で生き延びるための術と、「どこまでなら我慢できるか」という自分の基準を持てるようになります。周りに合わせて我慢を続けるのではなく、立ち止まるきっかけになれば幸いです。

目次

毎年夏になると、うだるように暑くなる事務所。「毎年のことだから」と普通に受け入れている社員。私も、暑さを気にしていないフリをしながら必死に働きましたが、最終的にはいろいろな理由が重なり退職しました。この体験から得たことは、次の3つです。

①人は雑に扱われることに慣れる
②「冷房を直さない」ことに、会社の価値観が表れる
③「普通」の判断基準は、人それぞれ

ここから先は、暑さへの対策方法と、あの夏の出来事をお伝えします。温度調節をしてくれない会社と自分は、はたして相性がいいのでしょうか?ぜひ、考えながら読んでみてください。

私が働いていたのは、地方の営業所。夏には冷房(エアコン)がついていましたが、問題は「冷風が出ないこと」でした。「ゴーッ」と立派な音を立てながら、生ぬるい風を室内に吹き込むだけの、役立たずな存在。事務所は車通りの多い道沿いに建っており、通り沿いは全面ガラス窓という構造。夏の日差しがまっすぐ差し込み、ブラインドを閉めても室温は上昇。窓を開ければ走行音で仕事にならないため、開けることができず…。

換気をすることもできない蒸し風呂のような事務所で2年半、手や背中をじっとりさせながら働き続けました。毎日が汗と臭いとの戦い。替えの下着とワイシャツを毎日持参し、昼休みや、夕方の忙しくなるラッシュの前に、急いで着替えていました。

業務用の冷房はあるのに、まったく効かない。「内勤=室温快適」のイメージとかけ離れた環境で、ベトベトになりながら事務仕事をこなす日々でした。

営業社員は冷房の効く場所に避難

この事務所には、仕事をする部屋の隣にもう一つ部屋がありました。食事をする小さな休憩スペースと、更衣室を兼ねた部屋。その部屋の冷房だけはキッチリ効いていて、いつもキンキンに冷えていました。

営業社員が事務処理をするとき、彼らは隣の部屋へ資料を持ち込み、涼しい場所で作業をしていました。営業車のエアコンは効いているし、訪問先の会社も涼しい。ですが、事務員は電話対応があるため、自分の席から移動することができず。同じ会社で働いていても、暑さ問題を回避できる人と回避できない人がいることに、不公平感を覚えました。

人は環境に染まる

長くその会社にいる人たちは、その暑さを「毎年のことだから」と普通に受け止めていました。汗臭くなっても、「夏はこんなものだよね」という雰囲気。私も物わかりのいいフリをして、「しょうがないよね」と振る舞っていました。

汗臭くてベトベトした肌。一日で二回も着替えが必要。帰宅後に、臭くなった下着やワイシャツを袋から取り出す作業。本当に嫌でたまりませんでした。あと何回この夏を繰り返せば、冷房が効く部屋で働けるんだろう…と、何度も考えていました。

長くいる環境は、その人の「普通」を作り変えていきます。自分が雑に扱われることさえ当たり前になります。他の事務員は、「暑いねー」と言いながらも、不満を持っている様子はありませんでした。「周囲から浮きたくない」。そんな不安から、必死に平気なフリを続けていました。

「冷房を修理してほしい」と、所長にお願いしたこともありました。ですが返事は「ちゃんと風は出てるから…」と煮えきらない。そんな所長も、夏は例の涼しい部屋へ入り浸っていました。「みんなが我慢してくれれば、問題なんて起きてないことになる」と暗に言われている気分。

冷房を修理するためには、本社に陳情が必要です。費用削減が叫ばれるなか、大型設備の修理依頼で、上から目をつけられるのが嫌だったのかもしれません。「従業員が快適に働ける環境」の優先順位が、ずいぶん下に位置しているように感じました。従業員を軽く扱っているという価値観の象徴のように、壊れた冷房が「ゴーッ」と生ぬるい風を吹き出していました。

この過酷な事務所は、丸腰で挑めば熱中症街道まっしぐら。当時の私は、以下の涙ぐましい努力で夏を生き抜いていました。

・凍らせた水ペットボトル500mlを持参
・保冷枕を持参
・水で絞ったタオルを首にかける
・社内では薄手のくるぶし靴下着用
・ナースシューズ着用
・着替えを2セット持参し、昼と夕方前に着替える
・ミント系ボディシートで全身をふく

当時は便利な対策グッズがなかったので自作していましたが、今ならアイテムとして普通に販売されているものも多いですよね。始業時は凍らせたペットボトルと保冷枕で快適でしたが、それが溶けてしまえば一気に苦しくなりました。「丸腰で挑むよりは多少ましだが、やはり限界はある」というのが正直な感想です。

この会社で働く人たちの普通と、私にとっての普通は、まったく違っていました。「冷房が効かない」ことを普通だと受け入れ、自分たちが軽く扱われていることに違和感すら抱かないようになっていたのかもしれません。

・冷房が効かないだけ
・キツイのは夏だけだから
・ほかは意外と悪くないし

これさえ我慢すれば、ほかの条件は悪くないから。呪文のように自分に言い聞かせて、夏を三回超えました。ですが、環境が変わらない限り、来年も再来年も同じ夏が来ます。毎年自分を説得しないと働けない場所って…私にあっているのかな。ふと芽生えた疑問は、それ以上ごまかすことができませんでした。結局、ほかにもいくつかの理由が重なり、私はこの会社を退職しました。

「冷房が効かないぐらい」と軽く捉えられる人、自分の体調に関わる問題として捉える人。暑さの「普通」は、人によって違うのだから、周囲に合わせて平気なフリをせず、その場所を離れてもいいのです。

従業員に暑さを我慢させる会社での対策には限界があります。年々気温も上がっている今の世の中で、今年の対策が来年も有効だとは限りません。どこまでなら受け入れられるか、どこで撤退するか。その基準は、自分で決めていいのです。

冷房の効いていない室内で働いているのなら、丸腰で挑まずに、まずは自分でできる対策をしてみてください。それでも改善しないのなら、自分の体を大切に考えてください。そこにいる限り、来年も再来年も夏は来ます。室内で、汗でベトベトになりながら働くことは、私にとっての「普通」ではありません。来年の夏は、涼しい風の吹く場所で働けていますように。

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