違和感を無視して入社した結果、1日で退職した失敗談

私がこれまでで最短で退職届を出したのは、入社した翌日です。面接時に一瞬「ん?」と違和感を覚えたけれど、「ギリギリセーフかな?」と自分に言い聞かせて入社。しかし入社初日に、その確認を怠ったことが原因で、退職を決意することになりました。この転職活動で失敗したと感じたことは、

・違和感をスルーしたこと
・認識のすり合わせをしておかなかったこと
・そして、早く就職しなきゃ…と焦るあまり、「自分に合う会社で働きたい」という目的が、「とにかく就職したい!」に入れ替わっていたこと

この考え方や行動の結果、たった1日で退職を決意することになりました。転職失敗談として、反面教師にしていただければ幸いです。

目次

その当時、私は会社を辞めて無職の状態でした。転職先を決めずに退職するという、転職界隈では決しておすすめされない方法をとっていました。ハローワーク(職業安定所)に通ったり、無料の求人情報誌を眺めてみましたが、なかなか条件に合う求人は見つからず。理想はあるのに、現実では希望条件に合う会社がなかなか見つからず、壁にぶつかっていました。

1週間、2週間と無職期間が長引くほど徐々に焦りが…。

その結果、「この条件は少し緩めてもいいかな…」「この希望は取り下げようかな…」と、少しずつハードルを下げていきました。それでも見つからないため、下げて、下げて……を繰り返し、ようやく下げまくった条件に合う会社を発見。当初の探していた条件とはずいぶんと違いましたが、焦りと不安の中でようやく見つけたその会社。「絶対にここで働きたい!」と盲目的に、職安を通じて面接の申し込みをしました。

会社の社員は、社長+男性社員2名+事務員1名。小さな会社で、マンションの一室に事務所を構えていました。「事務員が退職するため、求人を出している」という、よくある募集理由でした。

小さい会社のため、面接はいきなり社長面接。面接場所は喫茶店という、人生初の経験。「喫茶店面接!?おしゃれ!絶対この会社で働きたい!」と、期待値は爆上がり。実際に面接を受けてみると、社長の雰囲気も良く、説明された仕事内容にも文句なし。もうこの会社しかない!と、強く思いました。…が、そんな中、ひとつ気になる発言がありました。

うちの社員はたまにタバコを吸うけど、大丈夫ですか?

私はタバコの臭いが苦手で、家族も誰もタバコを吸いません。カラオケ部屋のタバコ臭ならギリギリ我慢できるレベルで、かなりのタバコ嫌い。

みなさん、どこで吸うんですか?

喫煙所だよ。換気にも気をつけているし、そこまで臭いはしないと思うよ

(…うーん)それなら大丈夫です!

喫煙所ならたぶん大丈夫だよね?と自分に言い聞かせ、安易な回答。マンションの一室を事務所にしているのに、どこに喫煙所があるんだろう…?と疑問でしたが、「まあ大丈夫だろう」と軽く流し、質問はしませんでした。そして、面接の結果、採用。このときの「まあ大丈夫だろう」が、全然大丈夫じゃなかったと判明するのは…入社日でした。

入社日に初めて、マンション(事務所)へ。期待と緊張でドアを開けた瞬間、ものすごいタバコ臭が漂ってきました。間違って喫煙所のドアを開けたのではないか?と思えるほどの強烈な臭い。

想像以上の強烈さに困惑しながらも、笑顔を崩さずに室内へ。玄関、廊下…と進むにつれて、どんどん臭いは強くなり、いよいよ仕事部屋へ。ドアの向こうは、煙が漂う白い世界でした。部屋の中央には4つの机が集められており、男性社員2名が喫煙しながら仕事をしていました。

「たまに吸う」「喫煙所で吸う」という話はどこへ?ここが喫煙所なのかと思えるほどの仕事部屋でした。

​​事務員の方に仕事を習いつつも、どうしても気になるタバコ臭。徐々に頭痛がしてくる始末。

どうにかお昼休憩の時間を迎え、ようやくこのタバコ臭から解放される…と思ったところ、「お昼ご飯は自席で食べるんですよ」という事務員の方からの絶望発言。人生初、喫煙所(と同じような場所)で、自分で作ってきたお弁当を食べるという体験。もう、お弁当を食べているのか、タバコの煙を食べているのか。まったくわかりませんでした。

昼休憩後、午後イチで銀行に行く仕事があり、事務員の方と2人で外出。外のきれいな空気を吸ったあと、自分の吐いた息が超タバコ臭だったことに愕然。髪、スーツ、カバン……すべてから超タバコ臭。

ここは、無理かもしれない…。
入社初日、始業からわずか4時間後には、「もう辞めたい」という葛藤が始まっていました。

外出ついでに、事務員の方に思い切って質問してみました。

タバコ臭、辛くないですか?

家族にヘビースモーカーがいるから気にならないんだ

この会社は、家族にヘビースモーカーがいる人か、本人がヘビースモーカーじゃないと務まらないんじゃ…。

喫煙所があるって聞いてたんですけど、どこにあるんですか?

キッチンの換気扇の下だよ

それ、喫煙所じゃない…

でも結局みんな席でタバコを吸うし、換気扇の下では吸ってないよ

という、とんでもない情報まで。入社前に想像していたレベルとは桁違いのタバコ臭。「ギリギリセーフ」どころか、一発アウトレベルでした。限りなく「辞めたい」に心が傾きましたが、さすがに入社して4時間後に判断するような内容ではないかもしれない。今は動揺して、判断基準が鈍っているだけかも…。

どうにか自分の気持ちを抑え、事務所に戻ったあとも仕事を教わり続けました。

就業時間を迎え、初日なので定時退社。仕事を終えて事務所を出ると、昼に外出したときよりもさらに強いタバコ臭が自分から臭っていました。やはり息もタバコ臭く、頭痛もする…。

当時は実家暮らしでしたが、帰宅後に家族から「タバコの臭いひどすぎる!」と、すぐお風呂に入るよう促されました。口の中のタバコ臭を消すため、何度も歯磨きをして、口臭を取る系の歯磨き液も使いましたが…それでも臭いは完全には消えず。家に帰っても、タバコ臭地獄。

超タバコ臭が染み付いたスーツとカバンは洗えないので、部屋のベランダに出しました。部屋に入れたら、部屋中に絶対ニオイ移りするし、もう臭いをかぎたくない。それならば、ベランダに出すしかない、という荒技。

寝る前になっても口のタバコ臭は消えず、頭痛も続いていました。

仕事内容は嫌ではないし、社員の人たちも悪い人ではなかった。ただ、男性社員2名は結局1日中タバコを吸っていた。あの場所で働く限り、1日中タバコ臭に悩まされることになるし…。職場環境が絶望的に合わないんじゃ…。でも、また無職になるは嫌だし…。せっかく入社できたのに。

もやもやと考え続けた結果、「どう考えてもここは無理だ!」と結論。寝る前に急いで退職届を書きました。次の日は、出社後すぐに社長のもとへ直行。退職届を出して、そのまま即帰宅しました。

たった1日で退職することになるとは、思ってもいませんでした。ですがここで働く選択をしたところで、遅かれ早かれ退職することになっていたはずです。

相手の感覚と自分の感覚は違います。そして、「ギリギリ大丈夫かな〜」と思ったことは、「ギリギリアウト」の可能性も。違和感を持った時は、スルーせずに確認することが大切です。お互いの感覚を言語化して確認したとき、大きなズレがあることに気づけるからです。違和感は、無視をしない。そして、絶対ここがいい!などと盲目的になると、当初の目的を忘れてしまうことも。転職は手段だということを忘れずにいたいです。

面接とは、会社が人材を選ぶ場であると同時に、人材が会社を選ぶ場でもあります。認識のすり合わせは、マッチングした後「こんなはずじゃなかった」を極力減らすための、大切な作業です。こんな私の失敗談から、なにか一つでも学びがあれば嬉しいです。自分に合った職場環境、あきらめずに探していきましょう。

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