なかなか決まらなかった転職。やっと採用連絡をもらい、緊張と安堵を抱えて迎えた入社初日。いじめのような体験をしてしまったら、怖くて次の転職に足がすくんでしまいませんか?
ここでは、転職初日に職場いじめのような体験をしながらも、その出来事から教訓を得て、前に進んでいった私の体験談を共有します。無視される。居場所がない。仕事を教えてもらえない。当時は理由も分からず、ただ戸惑うばかりでしたが、今振り返ると、はっきりしていることがあります。
頑張ってもどうにもならない職場は、確かに存在するということです。
「自分がおかしいのかな?」「他の会社でも働けないかも…」なんて考えず、前に進んでいくための材料にしていただけたらと思います。
この職場から得た教訓

転職初日の出来事は、当時の私にとってかなりショックなものでした。ただ、時間が経って冷静に振り返ってみると、「安全に働けない職場に留まらないのは正解」だと、今は思っています。
その職場での体験から得た教訓を、次のようにまとめてみました。
①初日に感じる違和感は当たる
②新人を迎える準備ができていない会社は存在する
③大人のいじめは、とても分かりづらい形で起きる
当時は、自分に非があるのかな?と思いながら過ごしていましたが、私の努力ではどうにもならない状況が、すでにできあがっていたのだと思います。
ここから先は、私が転職初日に体験した出来事を、時系列で振り返っていきます。今まさに同じような違和感を抱えている方がいたら、「こんな職場もある」という一例として、読んでもらえたら嬉しいです。
入社初日、職場いじめが始まる

入社初日、女性役員の方から簡単な説明を受けたあと、事務員が仕事をしている部屋へ案内されました。敷地内の建物は「製造棟」「事務員のいる建物」「経営陣のいる建物」の3つに分かれており、私が通されたのは事務員のいる建物でした。
事務室に入った瞬間、女性役員と事務員の方たちの間に、言葉では説明しにくい空気を感じました。場の温度が少し低くなった、そんな感覚です。
女性役員が部屋を出たあと、前任者のAさんに「私の席はどこでしょうか?」と尋ねました。返ってきたのは、「あぁ……用意してないんですよね」という一言でした。
戸惑っていると、別の事務員の方が「今日はとりあえず、あそこに座ってもらったら?」と、部屋の隅を指さしました。そこにあったのは、机のないパイプ丸椅子。他に座る場所もなく、そのまま座ることにしました。カバンを置く場所もないため、膝の上に抱えたままです。

「なんか…歓迎されてない雰囲気?」落ち着かない気持ちがありつつも、第一印象を悪くしてはいけないと思い、平静を装い続けるしかありませんでした。
仕事の引継ぎをしてもらえない
業務開始の時間になると、皆さん無言で、それぞれの作業に取りかかっていました。「何かできることはありますか?」と声をかけると、「手が空いたら声をかけるので、座っててください」と言われました。朝は忙しい時間帯だろうし、声をかけられるまで待ってみるか…。しかし、2時間以上経っても、誰からも声はかかりません。事務員同士で談笑する様子も見え、業務は一段落しているようでした。
もう一度声をかけましたが、「今は教えることがないので、座っていてください」という返事。ただ丸椅子に座り、カバンをぎゅっと抱きしめるだけの私は、その場にいていいのかどうかさえ、分からなくなっていました。
昼食時間、一人置き去り

昼休みの開始を知らせるチャイムが鳴りました。事務員の方たちは席を立ち、「先にトイレ行ってから食堂行くね〜」などと話しながら、部屋を出ていきました。
その流れの中に、私への声かけは特にありません。まるで、丸椅子に座っている新入社員なんて存在しないかのような空気。「これ…無視されてるよね?」と、不安と戸惑いを覚えました。
「食堂」という言葉が頭に残りましたが、どこにあるのかは分かりません。広い敷地内を一人で歩き回り、出会った人に場所を尋ね、どうにかたどり着くことができました。広い食堂の中で、事務員の固まりを見つけましたが、声をかける勇気はなく…。彼女たちから離れた席に座り、持参したお弁当を一人静かに食べました。
午前中だけで、ここまで居心地の悪さを感じた職場は初めてでした。今振り返ると、この時点で感じていた違和感は、すでに答えだったのかもしれません。午後の業務は、その違和感をはっきりとした形に変えていきました。
午後も仕事の引継ぎナシ
午後になっても状況は変わりませんでした。「何をすればいいですか?」と尋ねると、返ってきたのは午前中と同じ言葉。「手が空いたら声をかけるので、座っていてください」。
その言葉は、今日だけで何度目?このまま黙って座っていても、声をかけられることはないだろう…と、さすがに誰でも気づきます。「何か、今できることはありませんか?」と、もう一度尋ねてみました。すると、前任者のAさんは困ったような表情に。その様子を見ていた別の事務員の方が、「じゃあ、建物の外の掃除をお願いできますか?」そう言って、箒を差し出してきました。

事務職として入社したのに引き継ぎがなく、ようやく指示された仕事は外掃除。
何かがおかしい…。
掃除を終えて事務室に戻ると、またパイプ丸椅子に座って待機。結局そのまま定時を迎え、「お疲れ様でした。今日はもう帰っていいですよ」と声をかけられました。
事務室を出た瞬間、胸に残ったのは、「歓迎されていない」という感覚でした。
前任者vs経営陣、突然の修羅場
会社の出口へ向かう途中、女性役員の方と鉢合わせました。「仕事は覚えられそう?」と声をかけられ、今日の出来事を伝えました。すると女性役員の表情が一変。「ふーともさん、一緒に来てください」と言うと、足早に事務室へ向かいました。
事務室に入るなり、女性役員は前任者のAさんに向かって、強い口調で言いました。
「Aさん、いい加減にしなさい!」
一瞬で室内が静まり返り、その直後、Aさんが突然の号泣。何が起きているのか分からず、私は入口付近で立ち尽くすしかありませんでした。

A「私、退職したくありません」
役「自分で退職届を出したでしょ」
A「だから撤回します」
役「受理されたものは撤回できません」
A「今までは撤回できたのに!」
役「それは会社からの温情処置です!」
感情的なやり取りが続き、Aさんは泣き叫び、女性役員も一歩も引きません。職場とは思えない、修羅場のような光景でした。
すると数名の事務員が口を開きました。
「Aさんを追い出してまで、新人を入れるんですか?」
「Aさんを追い出して入ってきた人と、一緒に仕事はできません」
一方で、何も言わず視線を落とす事務員もいます。その光景を見て、今日一日の違和感の原因がようやく理解できました。この職場では、
・退職届を出したけど撤回したいAさん
・Aさんを守ろうとする一部の事務員
・この空気に逆らえない事務員たち
そして経営陣との間で、対立が起きていたのです。

こんな状況の中で、私は採用され、入社してしまった…。「明日は必ず引き継ぎをしてください」女性役員にそう言われ、Aさんはさらに声を上げて泣いていました。ようやく決まった再就職先。目の前にあったのは想像もしなかった職場の現実でした。
退職届の効力
一般的に、退職届は会社に受理された時点で効力が発生します。そのため、本人があとから「やはり辞めたくない」と申し出た場合でも、原則として一方的に撤回することはできません。ただし、会社側が撤回を認めた場合に限り、例外的に復職できることもあります。
最終的な判断は会社に委ねられるため、「退職届を出したあとに、退職の撤回を要求」しても、希望通りに進むとは限らないのが現実です。
帰宅後、明日からのことを考える

帰宅後、ひどく疲れていました。頭の中では、事務室の光景が何度もよみがえります。「あの会社で、これから働いていけるんだろうか?」Aさんが退職したあと、私はどう扱われるのか。入社初日から、これからのいじめを心配しなければならない職場。気持ちは、どんどん重くなっていきました。それでも、ようやく決まった再就職。自分から手放す決断は、簡単にはできません。
今日の帰り際、事務員たちは役員から直接注意を受けていたし、「明日になれば、少しは状況が変わるかもしれない」そんな淡い期待を、どこかで持っていたのも事実です。けれど、現実はそう甘くありませんでした。




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