転職活動の末、製造業の事務職に就職。やる気と緊張を抱えて出社したところ、入社した瞬間から職場いじめが始まりました。私の前任者が「やっぱり退職したくない!」と主張しており、事務員軍団(6〜7人)と経営陣軍団で揉めている最中だったようです。
そんな状況で私が採用されたため、「新人を追い出せば前任者が辞めずにすむ」と考えたのでしょう…。初日から追い出しモード全開でした。その結果、たった3日で退職届を出すことに。受け入れ体制が整っていない職場に入社した場合、どうなるのか。私の体験談を、ここで共有したいと思います。
入社初日、職場いじめが始まる
入社初日、女性役員の方から簡単な説明を受け、事務員が仕事をする部屋に案内されました。敷地内の建物は「製造棟、事務員のいる建物、経営陣のいる建物」の3つに分かれおり、私が案内されたのは、事務員のいる建物(以下、事務室と表記)。事務室に入ると、女性役員と事務員たちの間に漂う、なんともいえない微妙な空気…。

女性役員が退室し、前任者(Aさん)に「私の席はどこですか?」と尋ねると、「あぁ…用意してないんですよね」と一言。困惑していると、他の事務員の方が、「今日はとりあえず、あそこに座ってもらったら?」と指さしたのは、部屋の隅にぽつんと置かれたパイプ丸椅子。他に座る場所もなく、指示された通りその椅子に座ることに。カバンの置き場もないため、仕方なく膝の上に抱えることになりました。
この時点で、「なんか変じゃない?」という違和感が芽生え始めていました。
なぜか仕事を教えてもらえない
業務開始の時間になると、みんな無言で仕事を始めました。「何かできることはありますか?」と声をかけたところ、「手が空いたら声をかけるので、座っててください」との返事。今は朝一の忙しい時間帯だし、仕方ないのかな…と思い、丸椅子に座って静かに待機。
しかし、2時間以上経っても誰からも声はかかりません。事務員同士で談笑しており、どう見ても一段落ついた様子です。ボーッと指示待ちするのも嫌だったので再度声をかけるも、「今は教えることがないので、座っていてください」という指示。
「なんか変じゃない?」という気持ちが、だんだん強くなっていきました。
昼休憩、まさかの「ぼっち」
昼休みの開始を知らせるチャイムが鳴りました。事務員の方々は席を立ち、「先にトイレ行ってから食堂行くね〜」などと話しながら、全員部屋を出ていきました。まるで、丸椅子に座っている新入社員なんて存在しないかのような振る舞い。始業からたった4時間ですが、「この職場はなにかおかしい」と確信しました。

どこで昼ご飯を食べればいいの?「食堂」って単語が聞こえたし、食堂?というか、なんで私だけ置き去りにしたんだろう…と思いながら、広い敷地内を一人ウロウロ。出会った人に場所を尋ね、どうにか食堂にたどり着きました。
広い食堂の中で、事務服を着た軍団を発見。事務員全員で食事をしていましたが、さすがに「一緒に食べましょう」と行く勇気はありません。空いてる席に座り、持参したお弁当を食べました。
午後も仕事がない
午後も「何をすればいいですか?」と尋ねるも、「手が空いたら声をかけるので、座っていてください」との指示。
今日、その指示何回目だよ…。「何かできることないですか?」と少し強めに食い下がると、Aさんは困惑した表情に。すると他の事務員の方から、「じゃあ、建物の外の掃除をお願いできますか?」と、箒を渡されました。
マジで言ってる…?と不信感は増すばかり。外掃除が終わったところで室内に戻り、またパイプ丸椅子に着席。そうして、ようやく定時を迎えました。「お疲れ様でした。帰宅していいですよ」と言われ、事務室を後にしました。
明らかに邪魔者扱いされている。入社初日からショックでした。
私は退職しません!
会社の出口へ向かう途中、女性役員の方とバッタリ。「ここの仕事は。覚えられそうですか?」と声をかけられたので、今日1日の出来事を伝えました。すると…「ふーともさん!一緒に来てください!」と鬼の形相。女性役員と一緒に事務室へ引き返すことになりました。
女性役員は事務室へ勢いよく入り、「Aさん!あなた、いい加減にしなさい!」と強めに言い放ちました。静まり返る室内、そして…急に泣き叫ぶAさん。何が起こっているのか分からず、私は入口で硬直していました。

私は退職しないって言ってるじゃないですか!



自分で退職届を出したでしょ!



だから…撤回しますって!



受理されたら撤回できません!



今までは撤回してくれたじゃないですか!



今までは温情処置です!
嫌なことがあるたびに退職届を出して…!



だから…やっぱり辞めたくないんです!



無理です!あなたは月末で退職です!
「うわぁぁー!」と、泣き叫ぶAさん。なにこの地獄の光景。
すると事務員の数名が、「退職したくない人を追い出してまで、新人を入れるってことですか?」「私は、Aさんを追い出してまで入ってきた人と一緒に仕事をしたくありません」と、加勢してきました。残りの事務員たちは、気配を消すように俯いて…。
初日から微妙な雰囲気だった原因が、このときようやくわかりました。
- 退職届を出したけど、辞めたくないAさん
- Aさんを守る強気の事務員数名
- 他事務員(周囲に合わせる)
上の事務員軍団と経営陣軍団が、Aさんの退職をめぐって対立中。そんな最中に、私が採用されてしまった…というわけです。ようやく決まった再就職なのに、とんでもない会社へ来てしまいました。「明日は必ず引継ぎ作業をするように!」と女性役員からお叱りを受け、Aさんはさらに大泣きしていました。
退職届の効力
※退職届は、会社に受理された時点で効力が発生します。つまり、本人が「やっぱり辞めたくない」と言っても、原則として撤回はできません。ただし、会社がそれを了承した場合に限って、復職できる可能性はあります。
帰宅後、明日からのことを考える
帰宅後、何も仕事をしていないのに、ドッと疲れが出ました。
あの会社…あの職場で働くの、無理じゃない?Aさんが退職したあと、私、絶対に全員から超いじめられるじゃん…。職場いじめを受ける日々が、簡単に想像できてしまいます。入社初日に、今後のいじめの心配をしなきゃいけないなんて…とんでもない職場です。
でも、ようやく決まった再就職。自分から手放すなんて、どうしても嫌でした。今日の帰り、事務員全員が役員から直接お叱りを受けていたし、明日になれば何か変わってるかもしれない。そんな淡い期待を抱きつつ、その日は眠りにつきました。
…が、そう都合よくいくはずもなく。




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